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鬼は外福は内

節分と言うと、2月の行事になっていますが、旧暦の時は節分の日が大晦日。翌日の立春から新年でした。

節分には豆を撒きますよね、炒り豆を投げて鬼の目をつぶすとか、パラパラと言う音が嫌で逃げ出すとも、豆の霊力で鬼が退散するなど言われていますね。

これと同時に柊(ひいらぎ)に豆柄を束ね、そこに鰯の頭を差したものを「やいかがし」と言いますが、加納屋では早速取り付けました。鰯の臭さと柊のトゲトゲとした葉っぱの痛さ、それとやはり豆がらのカラカラとろした音に、鬼が逃げ出すそうです。

このやいかがし、実は作る際に作法がありまして、私の家では「五穀豊穣虫の口焼き」と唱えながら、ガスコンロで鰯の口をあぶります。加納屋の創業者である祖父が桶川の農家の出身で、本家から伝わるものなんです。

母の方の実家でも、唱える言葉が違いますが、やはりコンロで、鰯の口を焼きます。

本来は囲炉裏(いろり)で行っていたそうですが、今ではガスコンロで行います。鰯の口を焼くのは、作物を害虫から守りたいと言う、昔の人の願いですね、きっと小さな害虫が鬼で、作物の出来を脅かす存在だったのですね。

鬼は頭に角と牙を生やし、虎の毛皮とパンツをまとい、金棒を持っているスタイルですね。鬼の実態は目に見えなく、ですが恐ろしい存在。

昔の人は鬼門の「丑寅(うしとら)」の方角から、牛の角に虎の牙と毛皮を合わせてその恐ろしいイメージを作ったそうです。丑寅の方角とは東北の方を差します。子(ね)は北、卯は東、辰巳は東南、午は南など。

もしかして鬼門がウサギだったら、どんなイメージだったのでしょうね。

と言うわけで、3日には豆を撒いて、新型コロナウィルスの悪鬼を退散させましょう。